象徴解釈によるサビアンシンボル研究所

魚座が持つアイドル性、獅子座が持つヒーロー性

魚座のイメージ

サビアンシンボルの1度は、そのサインが持つ基本的な性質を表しています。2度は内在性です。内在性というのは、さまざまなモノが生まれる土壌と考えると分かりやすいかもしれません。どのサインも多面的な性質を持ちますが、2度はそのサインが持つさまざまな性質の源泉になっています。

魚座と獅子座は150度の関係にあり、共通の要素を持たない全く組み合わせです。しかし、どちらも自分を取り巻く環境が自分の生き方と深く関わっているというところに、ある種の共通点を見出すことができます。

魚座が持つアイドル(大衆)性

魚座は1度「A public market.(公共市場、大衆市場)」で見られるように、“自身に対する価値判断を他者に委ねる”という性質を持ちます。牡羊座から始まった自我形成の流れが、12サイン最後の魚座では自我を捨てることで終わりを迎えるのです。

また、自己表現性を表す5度「A church bazaar.(教会のバザー)」では、価値感の再創造が行われています。バザーではその人にとって所有する価値がなくなったモノが出品されますが、そのモノは他の人にとっては大変価値があるかもしれません。魚座1度と魚座5度をセットにして考えると大変面白く、どちらも「絶対的な価値判断」が存在しない状況を表していることが分かります。

周囲との関係は、魚座2度「A squirrel hiding from hunters.(ハンターから隠れるリス)」にも見ることができます。ここで示されているのは相手の動きに合わせて行動する性質です。危険を察知して直感的に動く性質や防御性が強いことも表していますが、やはり“相手(周囲、環境、時代)の動きに合わせて行動する”という性質こそ、魚座の内在性といえるでしょう。

12サインの最後である魚座は、多くの人々の想念や時代から生まれたニーズ、そういったモノがどろどろに溶け込んでいる状態に身を置いています。そのため、良い意味でも悪い意味でも時代の流れに振り回されやすく、時代の象徴的存在に祭り上げられるとか、あるいは時代の犠牲になることさえあるかもしれません。

魚座が自己犠牲的といわれる所以は、そんな、自分以外の存在に自分自身を委ねてしまうところにあります。しかも自己犠牲的な意識を持つことすらなく、周囲のニーズに自分自身を差し出してしまうのです。
なぜそのような精神状態になりやすいのか……それは魚座7度の「A cross lying on rocks.(岩の上の十字架)」に象徴される、自我と信仰心との対立にみることができるでしょう。
7度は異なる要素をコントロールする度数です。信仰心の根底には神への帰依という考え方があり、同時にそれは自我(=エゴ)を捨てることにつながります。特定の宗教を信仰していなくても、魚座サインは潜在的に宗教心のようなモノを持っているため、常に自我と宗教心との狭間で揺れ動いているようなところがあると言えます。

周囲の状況に反応して行動する性質が良い方向で発揮されると、時代にマッチした“アイドル”として活躍する可能性が高いでしょう。この“アイドル”というのは、芸能界で活躍するアイドルに限定されません。例えば、時代の流れに即した業界最先端の仕事で活躍するとか、社会のニーズを反映した政治活動をするとか、人々の言葉にならない想いを表現したアーティストとして有名になることも考えられます。

ただ、どこか“自分を置き去り”にしているような危うさがあるため、自分自身の核となるようなモノを見つける必要がありそうです。

獅子座が持つヒーロー(英雄)性

一方の獅子座は、自分自身の内部から湧き上がる生命エネルギーによって行動するサイン。この性質はまさに獅子座1度の「A case of apoplexy.(脳卒中の症例)」に表れています。
そして、獅子座2度「An epidemic of mumps.(おたふく風邪の流行)」に示されているように、周囲へ絶大な影響を及ぼし、そのことに生きる喜びを感じることが獅子座の源泉となっています。
獅子座サインも魚座サインと同様に“周囲の存在”を必要としているように見えますが、魚座サインと異なる点は、本来的に行動のきっかけは自分自身の内部にあるということです。

獅子座は自分自身にエネルギーを注ぎ込むので、その生きる姿勢は生死を賭けたダイナミックな生き方につながります。ギリシア神話に登場するヘラクレスが、数々の冒険を経験し、最後はゼウスによって英雄として空にかけられた(星座になった)ように。これは獅子座7度「The constellations in the sky.(空の星座)」に示されています。
あくまでも象徴的な話になりますが、7度は異なる要素をコントロールする度数ですから、獅子座サインの場合は生と死を天秤にかけるくらい、徹底的に自分自身を追求する姿勢を持っていると言えるのかもしれません。

自己表現性を表す5度「Rock formations at the edge of precipice.(絶壁の端にある岩の層)」に示されているように、本来的に獅子座は周囲に自身の壮大な姿を披露したいと思っています。「Rock formation」は岩層のことであり、長い年月をかけた風化と侵食による巨大な岩の彫刻です。
獅子座5度に示されているのは、自分自身を徹底的に追及することによって結果的に周囲へ圧倒的存在感を示すという、獅子座の自己表現方法です。そして、それは容易なことではありません。
例えば、世界新記録を次々と打ち出すアスリート。世界的に活躍するアスリートの姿に憧れて、次の世代の子どもたちがさらに高みを目指そうとします。世間からは華やかな姿しか見えていないかもしれませんが、トップレベルのアスリートたちは裏で血のにじむような練習を黙々とこなしているのです。岩層が気の遠くなるような長い年月をかけて形成されるのと似ているかもしれません。

獅子座が持つヒーロー性には、どこかそんな孤高性がつきまといます。

アイドルとヒーローの違い

アイドルは人々の夢や理想を具現化したような存在。
ヒーローは人々の夢や理想を叶えてくれるような存在。
……と言えるのではないかなぁ、と思います。
自己同一と自己投影の違いもありそうです。

アイドルは人々の想いによって存在が成立しているようなところがあって、見えない糸につながれた操り人形のようにも思えます。一方のヒーローは、自身の圧倒的存在感を人々に示すため、人々に見えないところで孤独な努力を続けているように見えます。

アイドルとヒーローは似ているようで違いますが、どちらも周囲との関係が切っても切り離せないという点で、似ているような気がします。

魚座30度と獅子座30度

サビアンシンボルの30度はそのサインの成れの果てと言えるような、やり過ぎ感が漂う度数です。例えるなら、熟し過ぎてもはや食べられなくなった果実のようなものかもしれません。

サビアンシンボル30度では、魚座サインと獅子座サインはそれぞれ面白い結末を迎えています。

魚座30度は「The Great Stone Face.(巨大な岩の顔)」。象徴として考えた場合、硬い岩は自我を表します。魚座サインは自我を捨てたはずなのに最後はしっかり自我を形成し、しかも顔までこしらえています。まるで獅子座5度に登場した岩層のように、自分の存在を強烈にアピールしています。

獅子座30度は「An unsealed letter.(封をされていない手紙)」。これは、歴史的人物が残した手紙が開封され、その人物を研究する手がかりになっていることを思い浮かべていただければ分かるでしょうか。手紙が残っていれば、その人物の存在や功績が後世に語り継がれることになります。時代を経ても自分の存在を示したい、という自己顕示欲の高さが示されていると言えます。“時代を経ても”というところが、時間を超越する魚座サインの性質を思わせます。

こんなふうに考えてみると、魚座と獅子座は共通要素を持たないサインですが、どこか共通しているのかな……と思ったのでした。

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